「むっ!」
优那に刹涡冲を见せたことはない。通用するとすればこの技だと総太郎は思った。
総太郎の体が猛スピードで突进し、やや斜めに打ち下ろすような突きを缲り出す!
「これが斤木流の奥义ね! でも、このくらいならっ!」
优那は体を沈み込ませ、両手を畳につけて体を支えるようにすると、そこから両足を揃えて振り回し、総太郎の足を薙ぎ払ってきた!
「うっ!」
このまま突进すれば足を払われ、无防备で倒れ込むことになってしまう。突进の势いがついているので优那の上にのしかかることをのも难しい。
総太郎はとっさにジャンプし、そのまま优那を飞び越してから前回り受け身をして立ち上がる。优那はというと、一回転の両足払いを缲り出したのち、両手で势いをつけて后方転回の形でしなやかに立ち上がり、その动きの势いを乗せて后ろ蹴りを缲り出してくる。
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「やあっ!」
长い足がまっすぐに伸びてくる。体势が充分でなかった総太郎はガードが间に合わず、その蹴りを腹に受けてしまう!
ドスッ!
「ぐうっ!」
よろり、と体がふらつく。そこに优那がくるりと振り向きながら、后ろ回し蹴りのような动きでローキックを缲り出し、総太郎のふくらはぎをしたたかに打つ。
ビシッ!
「あぐっ!」
「まだまだいくわよ!」
「くっ、ま、まずいっ!」
総太郎は打たれたのとは逆の足に力を込め、必死でサイドステップをして空いたスペースに回り込んで、続く优那のキックをかわしつつ距离を取った。
「まだフットワークは死んでいないようね」
「くっ……いてて……」
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腹と足を打たれ、确実にダメージを负ってしまった。背中に脂汗が出ているのを感じながら、総太郎は歯噛みする。
(相変わらず身軽な人だ、思いもよらない体势から技を出してくるから反応しづらいぜ。それにしても、あんなかわし方をされちまうとは)
刹涡冲は最低でもガードさせるつもりで打ったが、かわされてしまった。优那には通じないのだろうか。
(読まれちまえば、刹涡の技はさっきみたいな投げで返すには最适の技ってことになっちまう。二度目は当然狙ってくるだろう)
ただ工夫なく刹涡冲を出しても、突进の势いを利用する形で投げ飞ばされてしまうだけであろう。まだ一度见せただけだが、优那のセンスであれば间违いなくそれができると総太郎は确信してしまう。
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