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日文99(一)(53)



 刹涡冲を単独で缲り出しても通用しない。琴音戦のように刹涡冲を当てるチャンスを作るような戦い方をするのも、おそらく难しい。となれば――



(当たるように出すしかない……)



 覚悟を固め、ゆっくりと息を吐いて精神を切り替える。



「よし……!」



 そして総太郎は前に出る。



「ふっ、まだ惩りずに接近してくるつもりのようね。ここまで封杀されれば普通ならばあきらめて降参するところだけれど、さすがは斤木総太郎、そうこなくては面白くないわ」



 优那は余裕の笑みをたたえつつ、いつもの胸を反らした立ち方をする。レオタードから伸びたむき出しの美しい生脚はぴんと伸びて、芸术的な脚线美を総太郎の前に见せつけている。

 総太郎はそれに向かって、姿势を低くしながら突进する。
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「うおおっ!」

「来たわね、惩りもせずに!」



 优那は当然、蹴りで迎撃してこようとする。すらりと长く伸びた右脚が、股関节を轴にしなやかに跳ね上げられ、総太郎の腰のあたりへと伸びてくる。



(怖がることはない!)



 まず、やはり优那の技でもっとも胁威であるのは蹴りだ。

 优那は、この状况からいくらでも総太郎を打ちすえる手段を持っている。この蹴りを封じることすら容易ではなく、どう変化するか分からないブラジリアンキックは极めて见切りづらく、さらにあえて変化させずにそのままの蹴りで打つという选択肢もある。

 仮に変化を见切ったとしても、さらに二段変化すら彼女はできるのだ。

 だが、集中してさえいれば――



「はあっ!」
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 优那が気合と共に、蹴りを中段から下段へと変化させる。

 そのローキックを、総太郎は跳んでかわした。



「なっ!」



 この日は打ち下ろしへの変化を多用していたので、ここは下段に変化するであろう、と総太郎は踏んでいた。



(もう优那先辈との胜负も数をかなり重ねたんだ、少しくらいはクセも読めてしかるべきってもんだぜ)



 优那の懐に入る形で着地した総太郎であったが、このまま突きを出しても防がれてしまう。

 そこで総太郎はフェイントをかけ、优那が投げで取れないようなタイミングでの突きを放とうとする。

 が、フェイントの动きを优那は见切り、そこに攻撃を入れてきた。
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