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日文655(32)


その魅惑の感覚に、彼女の顔が消し飞んだ。

***

宴会がお开きになった后、僕は萌さんに诱われて彼女の家にやってきた。
集落からはちょっと离れた、林の中にある一轩家だった。
「野菜を作れる庭もあって家赁が5千円。とてもありがたいです。さ、海斗さん、どうぞお上がりください」
「は、はい………」
返事をする僕の声は固い。
先ほどは彼女の诱惑に简単に颔いてしまったが、1月の冷たい夜风に当たった事で、多少酔いも覚めた今となっては、罪悪感に胸が痛んでいる。
だが、今更断って帰るのも気が引けた。
そもそも、萌さんは饮み直しながら、お话ししましょうと诱ってくれただけだ。
その言叶と、柔らかな身体の感触に胜手に淫らな妄想を膨らませたのは僕だ。
もし萌さんにその気がないのに胜手に妄想しているのだとしたら、死ぬほど耻ずかしい。
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(ただ、饮んで话すだけ。もしそれ以上の事になりそうだったら、その时に改めて断ればいい………)
そう覚悟を决めて、萌さんの家に足を踏み入れる。
萌さんは居间のエアコンと炬燵のスイッチを入れ、
「寒いので、热燗にしましょうか?」
硬くなっている僕を振り返って寻ねる。
「は、はい、なんでも……」
「分かりました。寒いので、炬燵に入っててください」
「はい……」
言われるまま、炬燵に下半身を入れる。
じんわりと温まってくる感じが、実に心地いい。
暂く待っていると、お盆に徳利と御猪口、それにおつまみを载せて萌さんがやってきた。
炬燵の反対侧に体を滑り込ませた萌さんが御猪口を僕に渡してくれ、徳利を倾ける。
「あ、やります」
「ありがとうございます」
徳利を受け取り、萌さんの御猪口に酒を注ぐ。 copyright nzxs8.cc
「それでは、改めて。成人おめでとうございます?」
「あ、ありがとうございます」
音が出ない程度に御猪口を触れさせ、酒を口に含む。
舌が火伤しそうなほどの热燗の豊润な香りが口一杯に広がり、饮み込むと食道や胃の辺りまでがじんわりと温かくなってくる。
「はわぁ、美味し?」
幸せそうに頬を绽ばせる萌さんは、これまたとても可爱かった。
それからしばらくは、他爱のない世间话に终始した。
僕の东京での暮らしや、萌さんの岛での暮らし。
今后の人生设计や、今の仕事の话などなど。
萌さんとの会话は楽しく、彼女が勧め上手な事もあって、お酒もどんどん进んだ。
彼女も同じだけの量を饮んでいるはずなのに、仅かに頬が上気しているぐらいで、あまり酔った様子はない。
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