770年には、頼みの纲であった称徳天皇が崩御され、后ろ盾をも失ってしまった。
新たな后ろ盾を得ようにも、70歳を过ぎ、侬の逸物も物の役に立たなくなっていた。
「造下野薬师寺别当」に任じられた侬は下野国に下向し、その地で没する。
浄人と、浄人の子である広方、広田、広津の三人は捕えられ、土佐国に配流となった。
かくして、梦は―――破れたのだった。
梦を打ち破った和気清麻吕は、俗世では従三位に出世する。
だが、死后の出世は、俗世でのそれに轮をかけて凄まじい。
后世、第121代?孝明天皇に功绩を认められ、「神阶正一位」と「护王大明神」の神号を赐り、神となってしまうのだから。
それに比べて、侬は、「道镜は 座ると膝が 三つでき」などという川柳を読まれる始末。
分を越えた望みなど、やはり持つべきではないのだろうか。
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成人仪式
2020年、令和2年1月。
全国で122万人が成人を迎えた。
令和初めての成人式だと、メディアは大盛り上がりだ。
全国的に参加者が减少しつつあるとも言われるが、一部地域では1年以上もの间、コツコツと贮金して派手に着饰る一世一代の晴れ舞台と见做される场合もある。
だが、○○県××市△△村、瀬戸内海の离岛に浮かぶ过疎村において行われる成人式は、実に寂しい限り。
何しろ、参加者は僕一人だけなのだから。
そして、僕はこの岛の最年少の住人である。
限界集落などという言叶が虚しく闻こえるほど、消灭寸前なのがこの村の状况なのであった。
そんな僕とて、普段からこの岛に住んでいるわけではなく、东京の大学に通っている身だ。
彼女もおり、将来的にこの岛に戻ってくるつもりなど毛头ない。
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小さな公民馆に村の人たちが30人ばかり集まって、僕の成人を祝ってくれる。
少ない様に感じるかもしれないが、これでも村民の出席率はほぼ8割だ。
小さな村なので、全员见知った顔ばかりで、こそばゆいような、耻ずかしいような、ちょっと嬉しいような複雑な気分になる。
正直、来るかどうかさえ迷った。
だが、彼女に言われたのだ。
顔见せだけでも行くべきだと。
それに、10年前に海难事故で无くなった両亲にも、成人した事を报告すべきだと。
现代っ子の割に、そういう所はしっかりしている。
そんなところも、彼女の美点だと僕は思っている。
嬉しそうにしている老人たちを见るにつけ、その助言に従ってよかったという思いも込み上げてきた。
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