総太郎の疑问を见抜いたのか、优那は余裕の笑みを保ちながら総太郎に语りかけてくる。
「私が投げ技を使えるのが不思议のようね? 実戦で使うのは今日が初めてだけど、返しの投げはずっと习っていたから、付け焼き刃ではないのよ。あなたに対して使えるレベルになったのが最近だというだけ」
「なるほどね……」
おそらく沙织が来てからずっと、こうした护身术に使えるような投げの稽古自体はしていたのだろう。
総太郎は、优那に投げがあることがいかに厄介かを感じて舌打ちをしたくなる。ただでさえ要塞じみた优那の防御能力がさらに强化され、踏み込んで近づいても打撃を取られて投げられてしまう可能性が出てきたのだ。攻めづらさは相当のものである。
(まだ手はあるが、どうかな……)
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蹴り、それも燕激斧ならば取られにくいのではないかという気もするし、もしくは投げならばこちらも技を持っているので投げ合いをしてもいい。优那は総太郎の突きに狙いを绞ってきているのは明白であり、目先を変えるべきだと総太郎は考える。
(なんにせよ、やりにくいな。蹴りや投げを主体に戦うなんて、俺にできるのか)
どういった戦い方をするにせよ、まず突きを出してから総太郎の立ち回りは始まるのだ。突きがすべての起点となっている。それが下手に出せないとなれば――
「どうしたの、攻めてこないのかしら?」
优那の挑発的な笑みに、総太郎は歯ぎしりをしてしまう。攻めのきっかけをどうするか迷ってしまい、前に出られないのだ。
「なら、こちらから决めにいかせてもらうわ」
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优那は优雅な足运びで、ゆっくりと间合いを诘めてくる。
新体操で培われた滑らかな体の动かし方は、こうした歩くだけの动きからも无駄を消しており、隙が见えない。
(改めて见ると、优那先辈は自分の强みをしっかり把握して格闘技に活かしているのが分かる。センスがあるっていうのは、こういうことを言うんだろうな)
身のこなしに自信があるのだろう。こうした优那だからこそ相手を寄せ付けない戦い方を彻底できるのであり、そしておそらく、柔术を习得するのにも向いているであろう。
だが、そんな优那を総太郎は二度も破っている。隙のない人间など存在しないのだ。
(いくら优那先辈が手强いからって、怯んではいられないぞ。前に出て行くんだ)
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