(これを防ぐか、本当にやるようになった。だが、まだまだ负けてはいられないぞ)
紧张感のある攻防が続く。さすがにまだ総太郎も智华には负けないという手応えがあった。组手の最中にも成长をみせた彼女だが、それを加味しても、総太郎に胜つには足りないものが多いのだ。
「はぁ、はぁっ」
やや智华も息が切れてきた。至近距离での攻防で総太郎の拳が当たるたび、智华は痛そうな表情をするも、闘志が萎えるような様子は见せなかった。
この闘志が智华を必ず强くするだろう。そう思いつつも、そろそろ崩して决めてしまおうと総太郎は判断する。
が、胜负をかけてきたのは智华が先だった。総太郎の钩突きを后ろにかわしたことで少し间合いができたが、そこから智华は踏み込みながらの突きで突っ込んできた。
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(鋭い、だが、まだまだ……)
かわして、すれ违いざまに上からの手刀で一本。そう思っていたのだが。
「やああぁっ!」
智华の踏み込みは、异常なほどに鋭かった。
「うっ! し、しまっ……」
対応しきれない。そう思った次の瞬间には、智华の拳が総太郎のボディに突き刺さっていた。
ドスッ!
「ぐうっ!」
踏み込みの势いが乗った一撃が决まり、総太郎はさすがにたまらずよろける。
そこに、智华はすかさずハイキックを敢行してきた。すらりとした脚がムチのようにしなり、やや前かがみになったままの総太郎の头に直撃する。
ガシッ!
「あぐうっ!」
総太郎は头を打たれ、数歩よろけてから尻もちをついた。
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「はあ、ふうっ……」
脚を戻した智华は、やや信じられない様子だった。だが、総太郎は智华を见上げ、智华は立ったままだ。胜败は明らかだった。
「くう……や、やられた……」
あの踏み込みには兎脚法の力が乗っていたのだ。まさか、秘法が解禁されてからこの短期间に、高度な技术を要するはずの兎脚法を実戦で使えるとは思ってもみなかった。
しかし、それは総太郎の油断である。この胜负は明らかに智华の胜ちだった。
「か、胜っちゃった。やった、お父さんに胜ったー!」
娘に负けてしまったことは悔しくはあったが、喜ばしくもある。総太郎は、全身で飞び跳ねて喜びを表现する智华を见上げ、笑みを浮かべていた。
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