総太郎は立ち上がって礼をして下がる。それと同时に、冴华は见学している门下生たちに告げた。
「今の胜负で见てもらった通り、秘法を使った戦い方の基本は一瞬で力を爆発させて一撃で相手を倒すことよ。みんな、ちゃんと覚えたかしら」
见学している门下生は、女性ばかり十人ほど。みな冴华に心酔している。
彼女たちがどこか総太郎を见下したような様子であることを、総太郎本人も悟っていた。今日のような姿を毎日のように见せられては、そうもなるだろう。
「じゃ、あとは総太郎、みんなの相手をしてあげてね」
そして、今日も総太郎にとってはハードな时间が始まるのだ。
総太郎は多くの女性门下生の相手をしなければならず、そのおかげで実戦感覚は磨かれていて格闘家としての持久力も惊异的なレベルで身についているが、そのかわり自己の技の研钻をする时间はあまりとれず、高度な技をどんどん身につけていった冴华とは大きな差がついた。アスリートとしては総太郎は一流のものを手に入れたが、格闘家としてはそうではなかった。
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その结果、耐えることばかり上手くなって、冴华に対してはやられ役しかできないような男になってしまった。门下生の中にも、今では総太郎より强い女性は何人もいる。
情けないことだが、冴华の奴隷夫としていいように使われてきた结果だった。
「ふっ!」
门下生たちが帰って谁もいなくなった道场で、ようやく総太郎は自分の锻錬ができる时间になり、ひとり形稽古をする。そして、几度となく缲り返した刹涡柳影倒舞のステップを复习するが、あの顷を大きく超えることはやはりできていない。
総太郎の技术は停滞していた。
(あの顷は、もっと高みへ至る道が见えていた気がするんだが)
あの冴华との最终决戦で一度だけできた、体轴を反転させる动き。あの先に至ることができればと思っていたが、结局、あの动きは今に至るまで一度も再现することができなかった。冴华に屈してしまった今の自分の精神では、格闘の神のようなものがそれを许してくれないのではないか、などと益体もないことを考えもした。
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「今日はここまでにしておくか。ふうっ」
総太郎は道场を出て縁侧で休む。
すると――
「お父さん、お疲れさま」
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