そして、かえではそれを手で払いのけ、総太郎の体が泳いだところに右から中段の回し蹴りを腰に决める。
ドスッ!
「がはっ!」
体の芯に响く蹴り。起死回生を狙っての攻めは実らなかった。
「やあっ!」
続けてハイキック。総太郎は必死でそれを头を低くしてかわそうとするも、かえでは途中で角度を変え、総太郎の侧头部に当ててきた。
「あぐっ!」
角度が変わった分威力は下がったが、それでも今の総太郎にとっては充分な打撃だ。これ以上は本当にまずいと思って総太郎は后ろに下がるが、そこにかえでは距离を诘めてきてローキックを打ってくる。
ビシッ!
「ぐうぅっ……」
足を杀しに来るのはこれ以上なく的确だ。そして、かえでの动きはいちいち総太郎の逃げる先を読み切ったように入れてきている。
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「さっきのは惜しかったけど、残念だね。わたしの油断を计算に入れた攻め方をしなきゃ打开できないだなんて」
そう、先ほど総太郎がやったのは格下の人间がまぐれ狙いでやるような戦法だ。そんなことをせねばならないというのが総太郎の不利を物语っている。
受ける侧が冷たく戦える精神状态であれば、そんなものは通らない。総太郎は自分の考えがまだ甘かったことを思い知らされ、唇を噛む。
「くそっ、まだだっ!」
そして、総太郎はそれでも反撃の机会をうかがいながら必死にガードを固めながら耐えるが、どんどんジリ贫になってゆく。
(くっ、このままじゃまずいっ。何か、手はないのか)
まだ体が动くうちに事态を打开しなければならない。総太郎は耻も外闻も捨てて后ろに転がり、かえでから间合いを取りながらなんとか立ち上がった。
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「はぁ、はぁ……」
「ここまで痛めつけて倒れないのはさすがだけどね。いいかげん、もう胜ち目はないと悟ってくれていいと思うけど」
妹の言叶が正しいものであることを総太郎は理性では认めざるを得ない。が、ミリエラの制服を身にまとい、下着を见せつけながら蹴りを缲り出してくる妹の姿があまりにも挑発的に见えて、総太郎は素直に首を縦に振る気がしなかった。
「お前を取り戻すこともできずに帰れるか」
「そんなにわたしに戻ってきてもらいたいんだ?」
かえでは少し笑みを浮かべたようだった。一瞬ではあったが、総太郎には分かった。
「お兄ちゃんはてっきり、冴华を倒すついでに私を取り戻すつもりなのかと思ってたよ」
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