打ち合いなら负けてはいられない。総太郎は素早く突きを连打し、かえでの突きを强引に打ち破ってゆく。
「くっ、さすがっ!」
かえでは近距离の打ち合いを嫌がって间合いを取った。
「余裕は与えないぜっ!」
総太郎は追撃する。距离的に、刹涡冲を打ち込むのに适した间合いだ。以前とはステップの质が违う自信もあり、このチャンスに一気に决められる可能性もある。
が、かえでは総太郎の追撃を待ってはいなかった。瞬间移动かと思えるほどの鋭いステップで前に出てきたのだ。それが兎脚法を使った足运びだと分かった瞬间、総太郎はぞくりと背筋に寒いものが走るのを感じる。
それは格闘家としての本能が告げた予感だった。
(やばいっ!)
察知はしたが、体は反応できず、一瞬で懐にまで入られてしまう。もともと前に出る力に优れていたかえでだが、秘法の力のおかげで异常に鋭い踏み込みになっていた。
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「うりゃあああぁっ!」
そして、低い飞び込みから、间髪入れずに真上への燕撃斧が放たれる。当たれば首がもがれてしまうのではないかと思うほどの猛烈なハイキックだ。スカートがひるがえり、総太郎の目の前にかえでの白い下着と、それに包まれた小さなお尻がむき出しになる。
総太郎は前に出る体势のままだった。とっさにかえでの蹴りをかわそうとするが、体重移动をいきなり逆にすることなどできようはずもなく――
そして、次の瞬间。
ガシイイイイィィッ!
「ぐあぁっ!」
胸板にハイキックが直撃し、前倾姿势だった総太郎の体は跳ね上げられてしまう。前に出ようとしていたため、カウンターのような形で入ってしまった。
「がっ、あ……」
意识が飞ばなかったことは奇迹と言うしかない。车にでもぶつかったかのような、今までの人生で味わったことのない强さの冲撃だった。総太郎は目に映る世界がぐるぐる回転しているかのような、ふわふわした感覚に包まれる。
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三半规管が乱され、膝をがくがくと震わせながら数歩后ずさる。隙だらけだが、かえでは追撃してはこなかった。
「うわぁ、すごい手応え……だ、大丈夫? 死んでないよね?」
気持ちよさそうな笑みの中に、やや恐怖のような感情が见える。相手を杀しかねないと思えてしまうほどの手応えがあったということだ。
しかし、総太郎がそのまま后ろに尻もちをついたのを见て、かえではふっと息をつく。どうやら命に别条はないことが分かったのだろう。
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