「どうして欲しいのか、教えて?」
耳にスマホが押し当てられる。
闻こえてきたのは、すすり泣く女の子の声。
闻き覚えのある声だった。
その声を闻いて、ずきんと胸が痛んだ。
と、同时に、射精した。
危険な脳内麻薬が头の中に分泌され、全身を袭う快感をさらに强く感じてしまう。
そして、俺はなけなしの思考力を振り绞って、従姉妹达からの问いを思い浮かべる。
その问いに、答えを迷うことはなかった。
大使
中东、某国―――。
大使着任を祝うパーティーがお开きとなって、俺は大使馆内にある大使の私室に戻った。
俺の名は瀬崎竜。日本の大使として、今日、中东のこの国に赴任してきたばかりだ。
上着を脱ぎ、ネクタイを外してベッドに横になる。
「はぁ。まったく、なんでこんな辺境に………」
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酒臭い息とともに、思わず愚痴が零れ落ちる。
最初はイギリスの一等书记になるはずだったのが、先任の大使が倒れたために大使ポストが一つ空き、俺の所に打诊が来た。
一等书记よりも位では上だからと承知したが、失败だったかもしれない。
中东と言えば石油と言う印象だが、この国には石油资源がない。
かつてはシルクロードの交易で栄えた歴史を持ちながら、现代の中东でもかなり贫しい国である。
日本からの経済支援で成り立っているような国だ。
経済支援を続けていても、日本にとってメリットにはならない。
それだけに、日本にとってこの国の优先度も低い。
(にしても、なんだあの体たらくは………)
大使馆职员たちの顔を思い出して腹が立つ。
着任の挨拶をする自分を见る目に、一切の覇気が感じられなかった。
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30代の若造が大使になる事が気に入らないと敌忾心を剥き出しにしているというのならばまだマシだった。
自暴自弃になったような冷めた目つき。
それでいて、口元にはニヤけた笑みを浮かべ、追従の言叶ばかりを吐きやがる。
(胸粪悪い)
仕事への情热など当に失せ、すべてがどうでもよくなっているという态度だった。
そして、この国の外务省主催で行われた歓迎パーティー。
王族や贵族と言った特権阶级の连中は、街角で见た庶民とは比べようもなく豪奢な衣装を身に缠い、宝石をじゃじゃらとぶら下げ、鼻が曲がりそうな香水をつけまくっていた。
だが、そんな事よりも気に食わないのは、彼ら彼女らの目だった。
まるで、何か哀れなものを见る様な目。
(胸粪悪い………)
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